クラシカル・デジカメ

さて、随分とクラシックスタイルが揃ってきた。自転車を始めて以来、そのスタイルに合わせてあまり興味のなかったファッションも揃え始めたのだが、その辺りの影響として周辺の様々な道具もテイストを揃えたくなってきた。
普段、デジカメは一眼レフサイズの大きな一体型デジカメを使ってきた。これは腰を据えて撮影するには申し分ない機材だが、少々大き過ぎるという欠点もある。気軽に持ち歩けるサイズではないのだ。とりわけ、自転車で出掛ける時には1kgという重さもあり、躊躇する。
携帯のカメラで撮影しても良いのだが、これはこれで手軽ではない。普段外出時はRun&WalkGPSラッキングしているので、撮影時には一度これを中断、カメラを起動して撮影という手順になる。操作ステップ数で言うと、(携帯取り出し→)休憩ボタン→電源ボタン→中断していいか?のダイアログで中断選択→カメラボタン→起動を待ってシャッターボタン→保存しますか?→はい、みたいな感じで7ステップほどかかる。ちょっと長過ぎだ。
そうすると「普段気軽に持ち歩いてすぐ撮れる、コンパクトなデジカメ」があればいいという結論になる。本気撮りのものは既にあるのだから性能は拘らなくていい。それよりは大きさと、スタイルだ。クラシカルなミニヴェロにクラシカルなファッションで乗っているのに、テクノなカメラは似合わない。


……で結局ローライのMiniDigiにした。
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見目麗しいRolleiの二眼レフRolleiflex 2.8Fをミニチュア化したトイデジカメである。
所詮はトイデジ、性能は高が知れている。使い勝手も決して良くはない。だがスタイルだけは一流である。クランク回してフィルムを巻き上げないとシャッターが切れない構造はデジカメ的には何の意味もないし、そもそもファインダと撮影を別レンズで行なう二眼レフ自体がまったく不要なのだが、この際そんなことはどうでも宜しい。


実はこの前機種であるRollei MiniDigiも持っていたのだが、当時はまだ自転車にもレトロファッションにも興味なかったので殊更に拘りを感じることもなく、むしろ性能の低さが仇という感じで、次第にF/Oしてしまった。
なのにわざわざ新機種を買ったのにはいくつか理由があって、

  1. 旧機種の方はファインダ部分を破損しておりみっともない
  2. 新機種は撮影機能が随分改善されている
  3. 新機種はEFVが劇的に改善されている


旧機種は本当にチープで、正直「これならまだケータイの方がマシ」程度の画像しか撮れなかった。妙にデータ転送の遅いCMOSセンサはシャッタスピードの早い状態で手ブレするとぐにゃぐにゃに曲がった画像を吐き出し(これはこれで面白かったのでユーザの新たな遊びとして定着したが)、コントラストも解像度も低い液晶ファアインダは日中ほとんど視認不可能。表示の更新も遅く妙にカクカクとした動きに見える。
しかし3年のうちに進歩した技術を採用した新機種はレンズ前10cmからのマクロを可能にしたAF機能付き3メガCMOSに、液晶ファインダは少々大型化しはっきりと見易く、また画像の更新がほぼリアルタイム化した。
センサの変更に伴い画質もかなりチューニングされ、新型では割合「記憶色」なメリハリの付いた画に変わった……というより、旧型の方はダイナミックレンジが狭過ぎて黒潰れ・白飛びしすぎていたのだけれど。


とは言え、改善された部分ばかりではない。電源がCR2一次電池という点は変わっていない(まあ一応充電式のCR2もあるので、とりあえずそれを入手したが)。撮影に時間がかかるのも変わっていない、というかAF搭載である意味悪化したとも言える。構造上シャッターボタンが半押しに対応しないので、なんとシャッターを押し下げてからAFが働く謎仕様。つまり
シャッターボタン押す→「FOCUSING」の表示が出てAF動作→「CAPUTURING」で撮影→「SAVING」で保存(この間全部で3秒ぐらい)。そこは携帯のように「常時AF動作→シャッターですぐ撮影」の方が良かったのでは。
半押しの代わりに、「シャッター押している間はキャプチャしない」仕様であった。つまりシャッターボタン押す→「FOCUSING」の表示が出てAF動作→シャッターボタン離す→「CAPUTURING」で撮影→「SAVING」で保存。これなら一応、任意にフォーカシングさせてからの撮影が可能ではある。ただ、半押しと違って「変なところに合焦→シャッター離してキャンセル」というわけには行かない。離したら撮影してしまうから。