サドルバッグにミニトランクを

これまでサドルバッグ用に使っていたチェコ軍ウェストポーチの止め金部分が取れてしまったので、代わりのものを探すことにした。
実は以前からサドルバッグとしてトランクを使うことを考えていたのだが、当時はあまり小振りなものがなくて諦め気味だった。しかし最近はトランクのラインナップが増えているのか、それとも通販で入手可能な部分が増えたのか、ミニサイズのものが色々見付かるようになった。
最小のものでは6インチ(幅16cmほど)というのもあるのだが、あまりに小さいと今度はサドルバッグとしての使い勝手に問題が出る。また極小のものは形状からしてちょっと特殊なものが多く、普通のトランクのイメージから離れてしまう。
色々吟味した結果、横幅27cmとトランクとしてはミニサイズながらサドルバッグとしては少々大型程度のサイズのものを発見した。
http://www.amazon.co.jp/o/ASIN/B008BWX5QA/wissenschaft-22
買ったのはカーキ色の布張りモデルで、表面にはトラベルタグ風の装飾が施されている。
適当にハンドル部あたりにカラビナでも引っ掛けて吊るすつもりだったのだが、短かい革紐が付属していたので、それをサドルレールに通すだけで問題なく使えた。


蓋を止める2本の革ベルトはマグネット止めで、中央に3桁のナンバーロックが付いている。内側はシンプルだが、蓋のポケットはファスナー付き。構造はしっかりしているがその分だけ重く、空の状態で1.2kgほどある。

揺れると縁がブレーキケーブルと接触するので、その辺りを保護できるようにちょっと工夫が必要そうだが、その他は概ね良好。雰囲気もなかなか気に入った。

YAKKAYのヘルメットを加工する

自転車をクラシカルな装いにカスタマイズしているからには装いもクラシカルでありたい。
服装はある程度どうにでもなるが、問題はヘルメットだった。
事故の可能性を考えれば着装すべきだが、生憎と自転車ヘルメットというのはスポーツサイクリストに合わせて作られており、いずれも空力と空冷を重視した奇妙な形状に派手派手しいレースカラーのものばかりで、カジュアルな普段着に合わせるにせよ背広に合わせるにせよ似合わぬことこの上ない。自転車をファッションの一種と位置付けるからには、トータルコーディネイトできぬ存在は排除したい。


そんなわけで数年かけて捜し求めた結果到達したのがYAKKAYのヘルメットであった。

半球形のヘルメットにカジュアルな帽子のようにデザインされたアウターを被せるヘルメット。アウター次第で形状も色も変えられる。ヘルメットで9千円、アウター7千円とそれほど高くないので複数のアウターを付け替えてもいい。


実際に被り走ってみたところ、多少の問題点を発見したので修正することにする。
ひとつは顎紐のアジャスタ。サイズを調整できるようになっているのは良いが、引っ張るとずれてしまう緩さで固定に難がある。どうせ可変の意義はユーザごとに合わせられることだけであって、パーソナライズした後にまで調整が利く必要はないので縫ってしまうことにする。
もうひとつは顎紐からヘルメットへ繋がる部分。Y字に分岐した部分に金具があるのだが、その内側の耳朶に当たる面が妙に角張っており痛い。ここはやすりで面を取る。


多少の不満はあるものの、このスタイルには代え難いので手を加えて使うことにする。多少の改造で済む程度の問題でもあることだし。

ゴーグルを追加する

以前購入したものの、眼鏡との干渉で着用を諦めたクラシックスタイルのゴーグルがあったので、ヘルメットに装着してみた。

TNK工業 スピードピット ヴィンテージゴーグル ブロンズ 80077

TNK工業 スピードピット ヴィンテージゴーグル ブロンズ 80077


なかなか良い雰囲気になったと思うが、どうだろう。

ヘッドフォンに革を貼る

耳の寒い季節である。手足の指や耳のような末端はどうしても冷えて痛くなり易い。足は靴と靴下が守っているし指は手袋で万全だが、耳も覆いたくなる。
というわけで耳覆い型のヘッドフォンを物色した。
自転車も含めクラシカルな装いを基調に揃えているので、市販のヘッドフォンではなかなか厳しいものがある。少なくとも低価格路線では大半が樹脂や金属を多用した未来的路線だ。
木製ハウジング革張りのヘッドフォンもあるにはあるが、ちょっと気軽に手を出せる価格帯ではない。
パナソニックのミッドセンチュリー風ヘッドフォンRP-HTX7と共に候補として選定したのがオーディオテクニカのATH-SQ5だった。

パナソニック ステレオヘッドホン ブレビィベージュ RP-HTX7-C

パナソニック ステレオヘッドホン ブレビィベージュ RP-HTX7-C

audio-technica ポータブルヘッドホン ATH-SQ5 RD

audio-technica ポータブルヘッドホン ATH-SQ5 RD

四角いハウジングデザインが特徴で、この面に革を貼ったらなかなか好みの風合いになるのではないかと考えたわけだ。


丁度、東急ハンズ銀座店で30cm四方ぐらいのスエードが660円で売っていたので1枚購入。これをATH-SQ5のブラックに貼ってみる。


まず型紙を作る。ハウジングの角は結構エッジが利いているので、紙を載せて縁をなぞるだけで型を取れる。ただ、そのままだと滑ってしまってずれ易いので裏面に弱粘着性の糊を塗った。

これを切り抜き、今度は革の裏に貼って切り抜く。革は伸縮性があるので1mmぐらい小さ目に切るのがいい。
あとは合成ゴム系接着剤で貼り付けるだけ。
革に塗る方は大して難しくもなく、ただ表側に付けてしまわぬようにだけ気を付ける。
ハウジングの方は、最初指にすくい取って塗り付けていたのだが、皮膜が指に貼り付いて剥れてしまうので、ノズルを回しながら直接塗り付けたものを指で広げることにした。
貼り付けには神経を使う。ちょっとでもズレると貼り直しが利かない、というかハウジング側の皮膜が取れてしまうので再度塗り直しになる。上辺を合わせ、左右のズレに気を配りながら下まで貼り、曲面に合わせてなで付ける。

なかかな好ましい風合いになった。

iPhoneケースを作る

ほとんど自転車のことばかり書いているので自転車ブログのような印象があるが、一応それ以外に自作ネタも扱う。
今日はiPhoneケースの自作である。

発端

iPhone購入当初、手帳か文庫のような感覚で持ち歩いて使用したいと考えていた。レザーケースは多数あるが横開きのものは少数で、単に蓋を帯で留めたものではなく本のように表紙が一続きのものとなると非常に少ない。更に粘着剤での固定を行なわないものは事実上SimplismのFlip Styleただ一つだった。
なかなか雰囲気の悪くないケースではあったが、いくつかの点で不満があったため2週間ほどで使用を止めてしまった。
ひとつはカメラホールのケラレ。このケースは鉄板の入った背面と前面フチの間に本体を挟んで固定するタイプなのだが、それ故にケースと本体の位置関係が一定しない。どうしても使用中に多少のズレを生じる。するとカメラとケースの穴位置が一致せず、撮影画像の一部にケースが映り込む例が頻発。これではカメラが使いものにならない。
もうひとつは前面の縁。前述の通り前後で本体を挟み込む構造のために縁も細い鉄板を革でサンドした構造になっていたのだが、結果として画面に厚み2mmぐらいの縁取りができてしまう。これが画面端へのフリップ操作などを悉く邪魔することになる。頻発する操作でもないのだが、例えばアイコンのドラッグによる画面送りや、ゲームなどで右上あたりにメニューボタンがあるものなどで操作が妨害されてしまう。
また、このケースは右開きで左に本体が来る配置だったのだが、これだと左手でのホールドに不便を生じる。文庫を片側に大きくページを偏らせて状態で片手ホールドする状況を想像頂きたい。左に重みがある場合、恐らくは左手小指を本の中央に挟み込んで開きを維持することになると思うが、この姿勢は非力な小指に負担がかかる。対して右に重みがある場合は力のある親指だけで支えれば良く、疲労が少ない。
ついでにSimplismのケースは前後の板をしっかりホールドするために下にも細いながら帯があって前後を繋いでいるのだが、それが為に充電コネクタの固定が外れ易い問題点もあった。


色々調べて理解できたことは、私の持つ不満を完全解消する製品などどこにもないということだった。一時はレザークラフトの店にオーダーしようかとまで考えたのだが、一時凌ぎに購入した背面のみを覆うジャケットが中々に具合良かったこと、またシステム手帳にジャストサイズのものを発見したことから一気に自作へと傾くことになる。

用意するもの

自作とはいっても1からの制作は手間もかかるし、第一そんな技術は持ち合わせていないので、あくまで既製品の組み合わせを前提に考えた。iPhoneに近いサイズの手帳と、iPhoneをホールドするための樹脂ケースさえあれば、機能性と素材感を両立できるのではないか。
そうして選択したのが、Bindexの牛革mini5穴システム手帳Power Supportのポリカーボネート製iPhoneジャケット。mini5穴システム手帳は縦サイズがほぼiPhone3Gと一致、横幅も大きくないので胸ポケットに納めるサイズとしては理想的。またAirジャケットは硬く弾力のあるポリカーボの薄い背面ケースで、付けていることがほとんど判らないので、「iPhoneを挟んだ手帳」の雰囲気を損なうことがない。
これならば、当初の不満点をすべて解消する完璧なケースが作れる筈だ。
また、材料以外の工具として以下のものを用意した。

  • 10mmのポンチ
    • カメラ穴加工用
  • 細い棒やすりまたはマイナスドライヴァー
    • 手帳の分解用
  • 合成ゴム系接着剤
    • 手帳とジャケットとの接着用

見立て

まずは手帳を開きiPhoneを載せて様子を見る。

サイズはジャストだがリングが邪魔をする。右縁ギリギリまで本体を寄せればリングと干渉しないが、厚みを考慮してもリングとの共存は諦めた方が良さそうだ。
上下は本当にジャストサイズ。ジャストすぎて落下時の保護という点では些か心許ないが、まあそれは致し方ない。

リングの取り外し

一見すると嵌め殺しで分解不可能に見えるが、よく見ると上から被せた板が下の土台を左右で押さえる構造になっているのが判る。

そこで開いた状態から上下の隙間に硬い棒を突っ込んで梃子の要領で剥がすことにした。

剥がしてみるとこのように、リング部分が左右に分かれ、その下にバネが位置するような構造のようだ。

ネジなどはないがリングを左右に押し広げてみたらあっさり外れた。

下の台座は革の内側に納められた金属板からの爪で固定されている。

爪を起こして台座も外した状態。何故か下方のみ爪付近が縦に裂けている。ここから裏面のプレートを入れたのかとも思ったが、普通なら挟んでから縫うよなぁ。ちょっと見栄えが悪いので、後日なんとかしたい。
爪は切り取ろうかとも思ったが、下手にやると角が残り却って危ない気もしたので元通り折り曲げるのみに留めた。

カメラ穴の位置決め

ジャケットを置いて手帳で挟み、位置を確認する。カメラ穴の部分は中央にピンを刺し、カメラホール加工の目安とする。
ホールはポンチで穿つ。東急ハンズで10mmのポンチを買ってあったので、これをあてがってグリグリ押し込んで穴空け。

接着

手帳の内側とジャケット背面に、それぞれ合成ゴム系接着剤を塗布して乾燥を待つ。これは両面に塗布乾燥させたものを圧着させて貼り合わせる接着剤で、応用範囲が広くなにかと役立つ。
穴位置が中心になるように合わせつつしっかり貼り合わせ。

完成






あっさりケースが完成してしまった。本革の手帳が4千円ほど、ハードケースが2千円ほど、その他多少の工具なども勘案すると総計で7千円ほどかかっているが、革ケースを発注するようなことになればその倍は見る必要があるし、市販のものでも本革縫製となると1万円前後にもなるので、決して高くはない。ていうか非常にお手頃だと思う。
工作の難易度もかなり低いので、革手帳風に拘りのある向きは是非お試し頂きたい。

はじめてのタイヤ交換

走行中、後輪に違和感。周期的に振られるような感触がある。なんだろう、ホイールが振れたか?
停車してよく観察したら、後輪の側面が裂けていた。その部分だけチューブが横に膨らんでしまうのでタイヤがまっすぐに接地しない。このままでは早晩パンクしてしまう。
昼休みに有楽町ビックカメラ別館へ持ち込んでみた。この辺では最もまともな自転車店なのだが、流石に小径車、しかも需要のもっとも少ない20インチWOのタイヤは在庫がない。
仕方ないので終業後に御徒町のY'sRoadへ。流石専門店、ちゃんと在庫がある。本当は現在使用しているKendaの、サイドがクリーム色のものを気に入っていたのだが、生憎と黒一色のものしか置いていない。仕方ないのでSchwarbeより安価なPrimo Cometを選択、それでも前後タイヤ+チューブ交換で工賃込み7700円。
以前のものより高圧対応になったっぽく速度が乗る。ついでに取付時にブレーキも調整されて以前より制動力が高くなった。怪我の巧妙。


本当はサイドを茶系にしたいのだが、まあそのうちに。

iPhoneのGPSトラッキングアプリ2種+α

近場の買い物用ではなくフィットネス目的、あるいは乗ること自体をレジャーとする目的で自転車を買うなら、何らかの形で走行データを取るといい。
一般にはサイクルコンピュータがよく使われる。これはタイヤに取り付けたセンサーで移動距離と速度を計測するもの。あるいは心拍数計で運動量や消費カロリーを把握する方法もある。
データの中では特に楽しみの大きいものがGPSだ。走行経路を記録しておくことで「いつどこを走ったか」が判るし、その時の移動速度や合計距離も見える。
専門機材だと移動中にリアルタイムで地図を表示するようなものや予め設定したコースに沿って道案内するようなものまであるし、逐次計算によって速度なども確認できる。ただし高性能な分高い。
またauだとRun&Walkという、内蔵GPSを活用した専用サーヴィスがある。これの利点はなんといっても、走行後に自動でデータが送信されることだ。専門のGPSユニットだと管理は専用ソフト、あるいは手動集計になり、またデータの取り出しもいちいち本体をPCに接続する必要があるが、これが意外に億劫になり易い。
直近のデータは携帯上で確認できる他、専用Webサイトでは走行距離のグラフ化や積算距離なども表示され、達成感を得られる。また消費カロリーも計算してくれる。


さて、GPSユニットが内蔵され単体で通信もできるiPhoneで同様のアプリが登場するのは道理で、複数のGPSロガーが存在している。ただ、その価格や使い勝手にはかなり差があるようだ。
主にログを取ってアプリ内で保持しておくものと専用Webサーバに送信するものがあるが、Run&Walkの対抗馬ということで後者をレビューする。

EveryTrail

走行中に写真撮影の機能を持つアプリ。撮った写真は走行終了時に一緒にサーバへ送信され、地図上に表示される。
途中で停まって撮影したいと思うとき、普通のGPSアプリでも一度アプリを終了して撮影することは可能なのだが、そうすると結構高い確率で再開し忘れて走り出してしまい、後で見ると途中が大きく途絶えることがある。しかしアプリ内で撮影もこなすEveryTrailではその心配もないし、実際の撮影位置にプロットされるのもなかなか良い感じだ。
走行記録は公開可能(というか原則公開される。非公開にしたい場合は個々のTripを表示してEdit Descriprion→タイトル横のラジオボタンをprivateに)。また個々のTripに「SHARE」ボタンがあり、ここから様々なサーヴィスにメッセージ送信できる。
当初無料だったが現在は115円。費用対効果は充分だと思う。
ひとつだけ残念なのは、走行記録表示がiPhoneから確認できない点。

RunKeeper

こちらはただログを取るだけだが、ペースの変化をグラフ化して表示できるのがポイント。サーバでは積算の走行記録が一覧できる。「今週/今月の積算距離」が画面一杯の太い棒グラフ1本てのはどうかと思うが、個別のActivitiesではルートだけでなく高低差と速度が重ね合わせ表示され判り易い。タイムラインに沿ってマウスを動かすとその時の高度と速度が数値で表示され、マップには位置も表示されるので、どの辺でどの程度の速度が出ていたかなどがよく判る。
走行データはデフォルトで非公開。SettingsのSharingでデフォルト公開設定に変更可能。またtwitterアカウントを登録しておけば自動でデータがpostされる。
無料版は上部に1行広告が出る。有償版は1200円と高価だが、代わりに音声読み上げ機能があり、走行中に視認することなくデータを確認できる。
必要にして充分だがカロリー計算だけはできない。また残念ながらこちらも走行記録表示にはFlashを使うようで、iPhoneからは確認できない。

番外1:ジオタグ専用GPSロガーソニー「GPS-CS3K」

iPhoneau携帯も持っていない人で移動中に撮影を好む人にはお薦め。専用GPS機材としてはかなり廉価なタイプで、その分地図などの移動時データ表示は皆無なのだが、これの特徴は「デジカメのメモリーカードを突っ込むと自動でジオタグを付加してくれる」こと。つまり手持ちのデジカメまたは携帯のカメラで撮影してメモカに保存→走行終了時に突っ込んでジオタグ書き込み→PCに取り込んで地図に表示という遊び方ができる。
専用機材だけあってGPS記録に要する電力が小さく、乾電池1本で15時間ぐらいは保つのも強み。半日外出となると携帯通信機器のバッテリーではとても足りない。

番外2:ソーシャルネットなサイクルコンピュータブリヂストン e*meters

これはGPSではなくサイクルコンピュータ。なので位置記録はなく、距離・速度のみの計測である。
特徴は「USBで接続すると自動で専用サイトにデータ送信」する点。グラフィカルに確認できるだけでなく、他のユーザとコミュニティ作って記録を競ったり情報交換したりという楽しみもある(ようだが実際どれほど活発なのかは不明)。

連続走行

気候が良かったので2日連続で自転車通勤。多分初めてのことではなかろうか。
いつもより30分ほど早くに出て余裕があったので愛宕山を登ってみる。標高差はたった25mかそこらだが、結構急な坂で辛い。
iPhoneGPSログを取りつつ途中途中で写真撮影していたのだが、Pauseを解除し忘れて走っていたらしく中間ログが飛んでいるのは残念。まあいいけど。